「機動戦士ガンダム劇場版」(1981年)作品紹介・レビュー

2024年に45周年を迎えたガンダムシリーズ。ファーストガンダムをリアタイ視聴していた世代が孫を持つ年代となり、3世代でガンダムを楽しんでいるご家庭もあるのではないでしょうか。2025年1月には新作「機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-」が公開されて旧来のファンを喜ばせたのはもちろん、さらに新しいファンが急増しています。

その一方で、「ガンダムは敷居が高い」と敬遠している方もいるかもしれません。苦手意識を持つ理由は、情報量の多さ!そこで、本サイトでは初心者さん向けに、ガンダムの原点である映画化作品「機動戦士ガンダム 劇場版」のポイントや楽しみ方を紹介します。今回は劇場版三部作の1作目について!

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・ガンダム用語集
・ガンダム名言集
・アムロ達が戦艦ホワイトベースで訪れるルート(地球上・宇宙の場所)紹介記事
・ガンダムシリーズの流れ解説記事
・ガンプラ関連記事

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【機動戦士ガンダム劇場版三部作 予告ハイライト】

「機動戦士ガンダム劇場版」作品情報

原題:「機動戦士ガンダム劇場版 MOBILE SUIT GUNDAM」
制作年・国・上映時間:1981年3月・日本・137分
企画:サンライズ 原作:矢立肇・富野喜幸 監督: 富野喜幸

テレビアニメ放送終了後にガンダムシリーズのプラモデル(ガンプラ)が一大ブームとなりました。映画「機動戦士ガンダム劇場版」はガンプラブームが火付け役となって制作されたもので、テレビシリーズの総集編的な位置づけの作品です。劇場版は三部作として構成されており、本記事で紹介する「機動戦士ガンダム」はテレビシリーズ第1話から14話までのストーリーのダイジェスト版となっています。


主な登場人物とキャラクター紹介

ガンダムは登場人物が多く、メインキャラはもちろん、脇を固めるキャラ達もそれぞれ個性的で活躍エピソードが出てくるので、最初は混乱するかもしれません。頭がこんがらがってしまいそうな方は、とりあえず次の5人だけ把握しておけばストーリーについていけます!

地球連邦軍(ホワイトベース搭乗員):アムロ、ブライト、セイラ、ミライ
ジオン軍:シャア

【ナレーション】

永井 一郎

【地球連邦】

●サイド7からホワイトベースに乗り込んだ避難民(少年兵)

サイド7で暮らしていた少年少女たちはジオン軍の攻撃を受けて宇宙戦艦ホワイトベースに避難後、民間人でありながら戦闘に加わることになります。

・アムロ・レイ(ガンダムに搭乗して戦う16才の少年)/声:古谷徹
・フラウ・ボゥ(アムロのガールフレンドで世話好きな性格の少女/声:鵜飼 るみ子)
・ハヤト・コバヤシ(アムロの近所に住んでいた柔道好きな少年・ガンタンクを操作/声:鈴木 清信)
・ミライ・ヤシマ(堅実に任務をこなし皆からの信頼が厚い少女/声:白石 冬美)
・セイラ・マス(上品な金髪の少女で通信士からパイロットへ。冷静に見えるが実は熱い/声:井上 瑤)
・カイ・シデン(いつも軽口を飛ばす少年・ガンキャノンを操作/声:古川 登志夫)

●ホワイトベース乗組員(職業軍人)

・ブライト・ノア(士官候補生の19才・ホワイトベース艦長代理)/声:鈴置 洋孝
・リュウ・ホセイ(ハヤトと一緒にガンタンクを操縦する志願兵の少年)/声:飯塚昭三

●地球連邦軍(職業軍人)

・マチルダ・アジャン(地球連邦軍輸送部隊の中尉・少年兵に人気の大人の女性)/声:戸田 恵子

【民間人】

・カマリア・レイ(アムロの母。夫やアムロと離れて地球に残って暮らしていた)/声:倍賞千恵子

【ジオン公国】

・シャア・アズナブル(別名「赤い彗星」常に仮面を装着する精鋭少佐・シャア専用モビルスーツ「赤いザク」を操縦)声/池田秀一
・ガルマ・ザビ(ジオン公国を率いるザビ家の末っ子)声/森功至

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「機動戦士ガンダム劇場版」あらすじ

本作は、戦いの日々を通じて成長する若者たちと宇宙戦艦ホワイトベースの運命を描いたアニメ作品三部作の1作目です。テレビシリーズの第1話から14話までのストーリーのダイジェストとなっています。

時代は宇宙世紀0079(ダブルオーセブンティーナイン)。地球の人口が増えすぎたため、宇宙空間に作られた宇宙都市(スペースコロニー)への移住が進んでいます。地球から最も遠いスペースコロニー「サイド3」はジオン公国を名乗り、地球連邦に対し独立戦争を挑みました。全人口の半数が死に至ったと言い伝えられる最初の1ヶ月を経た後は数ヶ月の膠着状態が続いています。

ジオン公国はモビルスーツと呼ばれる人型ロボット兵器の「ザク」によって戦況を優位に進めていました。しかし、地球連邦軍もモビルスーツ「ガンダム」を開発し、いよいよ実戦に投入しようとしているところから物語が始まります。

主人公は16才の少年アムロ・レイ。彼は連邦軍技術者の息子であり、メカオタクです。軍事訓練を受けたこともなかったアムロですが、ぶっつけ本番でガンダムの起動と操縦に成功。アムロは知人・友人を含む避難民たちと一緒に宇宙戦艦ホワイトベースに乗り込み、地球連邦本部のある地球上の都市ジャブローを目指すことになります。

「機動戦士ガンダム 劇場版」注目ポイント

「リアルロボットシリーズ」の草分け

テレビアニメ放送終了後、ガンプラ(ガンダムのプラモデル)の一大ブームが発生。それを火付け役にテレビシリーズが再放送を繰り返す中、総集編的な位置づけで映画化されました。


ガンダムがテレビで放映されていた時間帯は地方局によって違いますが主に17時台で、子供向けのテレビアニメが放映される時間帯です。しかし、ガンダムは小さい子ども向けというよりも青年層をターゲットにし、未来の地球における戦争をテーマに制作されていることも異彩を放っています。これには宇宙戦艦ヤマトの大ヒットが影響しており、ポストヤマトを目指していたと言われています。


近年ではガンダム以降のロボットアニメを「リアルロボットシリーズ」と分類するようになりました。

テレビシリーズ第1話~14話に相当するストーリー

「機動戦士ガンダム 劇場版」はテレビシリーズ第1話から14話までのダイジェスト版です。ただし、テレビシリーズから変更されている映画オリジナルの部分も箇所もあるので、以下に紹介します。

テレビシリーズとの相違点①:大気圏突入シーン

テレビシリーズでは薄っぺらいフィルムを広げて大気圏突入を乗り切るが、劇場版では冷却と耐熱フィールドで突入しています。劇場版を見てからテレビシリーズを見ると、とてもチャチなシステムに感じます。

テレビシリーズとの相違点②:声優の変更

テレビ版ではアムロの母カマリア・レイの声を沢田敏子さんが担当しましたが、劇場版では松竹の看板女優である倍賞千恵子さんが担当しています。

松竹への配慮か、劇場版のエンド・クレジットでは当初、主人公であるアムロの声を演じた古谷徹さんよりも倍賞千恵子さんが大きく扱われていました。それに対し、シャアの声を演じた池田秀一さんが「同じ役者として(声優が俳優より)格下に扱われる理由などないはず」とサンライズのプロデューサーに抗議した結果、古谷徹さんの名前が大きく扱われることになったそうです。

テレビシリーズとの相違点③:ニュータイプへの言及を追加

ニュータイプとはガンダムシリーズにおける概念で、超能力を持つ新しい人類を意味します。ニュータイプの超能力とは主に、優れた直観力や観察力、時空を超えてテレパシーでコミュニケーションする能力などです。「機動戦士ガンダム」に登場する主なニュータイプはアムロとシャア、「Ⅲ」で登場する女性ララァですが、脇役にもニュータイプの片鱗を見せる人がいます。

本作と対応するテレビシリーズ(第1話~第14話前半)では、ニュータイプという言葉はまだ出てきません。一方、本作においてはマチルダの口からニュータイプについて語られています。

テレビアニメ版と劇場版を観比べてみて!

上記の他にも、細かい箇所で変更が加えられアニメーションもかっこよく描き換えられている箇所がいくつかありますので、テレビアニメ版と劇場版を比較して観てみるのも良いですよ!
テレビアニメ版はAmazonプライムビデオで配信されています。


「機動戦士ガンダム劇場版」感動ポイント

本作では戦争の悲惨さ、子供が戦争に巻き込まれていく理不尽さが中心に描かれています。そんな中、アムロと母が再会するシーンにおける心のすれ違いには胸の詰まるものがあり、考えさせられると思います。

また、「寒い時代だと思わんか?」という台詞に象徴される悲劇にも胸が締め付けられます。これはルナツーでホワイトベースを送り出す際にワッケイン司令が放った言葉で、訓練も受けず素人同然の若い乗組員達を危険な戦場へ送り出すしかない大人の心情を表す名台詞です。

「機動戦士ガンダム劇場版」名言・有名台詞

名台詞や名言の宝庫なこともガンダムの魅力!ガンダムの名台詞・名言はさまざまな文芸作品に引用されているので、ガンダム由来とは知らずに見聞きしたことがある方も多いはずです。

ガンダムの名台詞や名言については別記事でさらに深掘りしていきますが、ここでは「機動戦士ガンダム劇場版」に登場する有名な台詞を少しだけ紹介します。

「こいつ…動くぞ…」(アムロ・レイ)
「やれるとは言えないけど、やるしかないんだ」(アムロ・レイ)
「認めたくないものだな。自分自身の、若さゆえの過ちというものを」(シャア・アズナブル)
「…二度もぶった。親父にもぶたれたことないのに!!」 (アムロ・レイ)
「坊やだからさ」(シャア・アズナブル)

最新作「機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-」( 2025年・81分)」も大好評!

GQuuuuuuXの読みは「ジークアクス」。テレビ放映に先駆けて2025年1月に全国の映画館で公開開始しました。
映画機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-」はガンダムシリーズ制作会社のサンライズと庵野秀明氏がコラボした作品として発表時から注目されており、ファーストガンダムの世界観はそのままで、ジオンが勝利したパラレルワールドの物語が展開されます。


主人公は女子高生のアマテ・ユズリハ(「マチュ」)。Filmarksのレビューによると、昔からのファンも満足、ガンダムを全く知らないで観た人も楽しめたとのこと(平均評価点4.1点:2025年2月3日現在)。

機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) 公式サイト

「機動戦士ガンダム 劇場版」まとめ

「機動戦士ガンダム 劇場版」は、今に続くガンダムのムーブメントの方向性を決めた作品といえます。この映画の大ヒットによりその後のストーリーも映画化が決定し、映画は三部作となりました。
本作品はテレビアニメシリーズの映画化作品ですが、単純なダイジェスト作品ではなく新しい演出などを追加したことで、ガンダムの世界観の更なる広がりに寄与したと言えるでしょう。

ガンダム劇場版三部作「機動戦士ガンダム 劇場版」「機動戦士ガンダム劇場版Ⅱ 哀・戦士編」「機動戦士ガンダム劇場版Ⅲ めぐりあい宇宙編」は、いわゆるファーストガンダム、初代ガンダムと呼ばれる最初のガンダムです。最近ガンダムと出会って初代のストーリーを知らない方は、是非この三部作を観てガンダムの奥深い世界観を理解してみてはどうでしょうか?


ガンダムについては名前くらいしか知らない…という方は、とりあえず気楽に観てみましょう!大丈夫、わからなくても最初から楽しめます!映像、音声や音楽、人間ドラマなど親しみやすい要素も満載の作品ですよ。

こんな方におすすめ

・ファーストガンダムを知らない最近のガンダムファン
「ガンダムORGIN」でも同じストーリーを追いかけているので、比較するのもオススメ。ファーストガンダムで明かされていないキャラたちの背景が「ガンダムORGIN」で描かれています!
・「ガンダムは昔から知ってるけど、ちゃんと観たことがなかった」という方
・SFファン
ガンダムの武器ビームサーベルがライトセーバーに似ているなど、「スターウォーズ」の影響が見られます。また、宇宙戦艦ヤマトの影響も少なからず受けている作品です。

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【機動戦士ガンダム劇場版三部作 主題歌】

映画「機動戦士ガンダムⅠ」主題歌「砂の十字架」
映画「機動戦士ガンダムⅡ」主題歌「哀 戦士」
映画「機動戦士ガンダムⅢ」主題歌「めぐりあい」


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文:Ta@akee 編集:chi-yu

参考サイト:

機動戦士ガンダム劇場版 公式サイト
機動戦士ガンダムの登場人物 | ガンダペディア | Fandom

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