映画「独裁者」(1940年/アメリカ)レビュー

チャップリンが脚本・監督・主演を務めた映画「独裁者」はアドルフ・ヒトラーを揶揄した作品として知られています。映画を観ていない人でも、ヒトラーに扮したチャップリンが大きな地球儀と戯れるシーンは知っているのではないでしょうか。気軽に見て笑える作品でありつつ、感動的な名シーン(名演説)もあるので、ぜひ一度は観ることをおすすめします!

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【予告編】

映画「独裁者」作品情報

原題:「The Great Dictator」
制作年・国・上映時間:1940年・アメリカ・125分
監督:チャールズ・チャップリン
出演者(役名):チャールズ・チャップリン(独裁者アデノイド・ヒンケル/ユダヤ人の床屋)/ポーレット・ゴダード(ハンナ)/ジャック・オーキー(ベンツィーノ・ナパローニ)
受賞歴:第13回アカデミー賞(1941年)作品賞・男優賞・助演男優賞・脚本賞・作曲賞

チャップリンが独裁者と、独裁者のそっくりなユダヤ人床屋の二役を演じています。

映画「独裁者」あらすじ

小さなヨーロッパの小国トメニアの独裁者ヒンケルは、国を自分に服従させ、さらに国内のユダヤ人を迫害し、自分の理想国家を目指す野心家です。ユダヤ人の床屋はユダヤ人というだけで軍から迫害を受けやがて捕らえられてしまいます。

仲間と2人で軍服を奪って脱走した床屋は、軍人に捕まるどころか敬礼をされます。そう、床屋はヒンケル総統とそっくりであったため、軍人達は彼をヒンケル総統と見間違えたのです。

逆にヒンケルは床屋と間違えられ投獄されてしまいます。

映画「独裁者」注目ポイント

私はこんなにおかしな戦争映画を観たことがありませんでした。1940年のコメディ映画ですが今観ても色褪せず笑いながら観ることができますし、チャップリンのコミカルな振る舞いは天才だとしか言えません。ヒンケル総統に成り代わった床屋は独裁者としてどのように振る舞うのか?が最大の見どころです。

この映画は、独裁者の愚かさと危険性をユーモアたっぷりに描き出す一方で、戦争の悲惨さや平和の尊さを訴えています。チャップリンの卓越した演技と、時代を超えて響くメッセージが魅力の作品です。

また監督、脚本、製作と2人分の配役をこなしたチャップリンが第二次世界大戦の戦時中にどうしても伝えたかったメッセージを是非感じ取ってください。

感動ポイント

1番の見どころはヒンケルと間違えられた床屋が大衆や軍隊を前にして語った演説です。彼は独裁者という立場にありながら戦争と独裁を完全に否定し、あるべき人間の生き方を語ります。また命令に服従する軍人に対しては機械人間になりさがるなと叱責します。

5分程の演説はセリフとは思えない迫力があり次第に熱を帯びていきます。この演説がこの映画そのものであり、チャップリンの熱い思いが伝わります。

まとめ

架空の国家トメニア国の総統ヒンケルを題材にしたストーリーですが、もちろんこれはドイツの独裁者アドフル・ヒトラーをモチーフにしています。第二次世界大戦が開始されたばかりの1940年にチャップリンはヒットラーの独裁を痛烈に批判したのです。まさに先見の明と言えるでしょう。

また、個人的にはマーク・トウェインの『王様と乞食』に着想を得たのではないかと思います。主人公が入れ替わることで物語は思いがけない方向へと進んでいきます。

ストーリーの半分がコメディで残り半分はとてもシリアスですが、それをすんなりと観られるように仕立てあげたチャップリンの監督、脚本家としての手腕も高く評価できます。

『モダン・タイムズ』でも共演したポーレット・ゴダードは本作でもヒロインに抜擢。チャップリンとは事実婚の関係だったとのこと。

こんな方におすすめ

チャップリンファンやチャップリンに興味のある方は押さえておくべき映画でしょう。

喜劇、コメディ映画好きの方や、変わった戦争映画を観てみたい方、そして人のあるべき姿に悩んでいる方にもおすすめです。

文:Ta@akee 編集:chi-yu

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