野生動物の魅力は、力強い美しさと自由さ。人間に危害が及ぶ場合もあって共存するのは難しいことが多いですが、だからこそ憧れます。野生動物と心を通わせることができたら…そんな夢を実現した奇跡が存在しました。「野生のエルザ」は実話に基づく動物映画の傑作として、子どもから大人まで感動する作品です。
【予告編】
映画「野生のエルザ」作品情報
原題:「Born Free」
制作年・国・上映時間:1966年・イギリス・94分
監督:ジェームズ・ヒル、トム・マッゴーワン
出演者(役名):バージニア・マッケンナ(ジョイ・アダムソン)、ビル・トラバース(ビル・トラバース)、ジェフリー・キーン(ケンドール)、ロバート・ヤング(ジェームズ)
受賞歴:第39回アカデミー賞(作曲賞/1967年)、第24回ゴールデングローブ賞(最優秀作品賞、最優秀主演女優賞、最優秀主題歌賞)
映画「野生のエルザ」はノンフィクション小説を映画化した作品で、原作の著者ジョイ・アダムソンは動物保護官として夫婦でケニアに駐留した人です。
映画「野生のエルザ」あらすじ
ケニアを舞台に、ライオンの赤ちゃんを育て、野生に返すという感動の実話。
ジョージとジョイのアダムソン夫妻は、ケニアで狩猟監視官として働いていました。ある日、人食いライオンを射殺し、その子供である三頭のライオンの赤ちゃんを保護します。
ジョイは愛情を込めてライオンたちを育てます。やがて二頭は動物園へ送られますが、ジョイが溺愛していたエルザだけはジョージの計らいで、ジョイたちと共に暮らすことになりました。
しかし、人間社会の中でライオンが共存していく困難さをジョイはやがて感じ取りますが、動物園に送られて自由をうしなったエルザが幸せになれるとは思えませんでした。ジョイはエルザの幸せを願い、野生に返すことを決意します。
しかし、人間に育てられたライオンを野生に戻すのは前代未聞の試みであり、多くの困難が待ち受けていました。ジョイはエルザを連れてサバンナへ行き、狩りの仕方を教えるなど、野生の生活に適応できるよう懸命に訓練しますが、野生を知らないエルザは環境に馴染めず傷ついていきます。
ジョイは葛藤を抱えながらも粘り強く訓練を続け、エルザも少しずつ野生に近づいていきました。そして、ついにエルザは野生に戻り、群れに迎え入れられます。
映画「野生のエルザ」注目ポイント
実話に基づく奇跡の物語。1960年に書籍として販売されるとベストセラーとなり、1966年に映画化されたものです。
まだCGの無い時代に役者は実際のライオンと演技をしており、ライオンも迫真の演技をしているところに注目!
子ライオンの愛くるしさとその成長、そして動物にとってどう生きることが幸せなのかを考えさせられます。動物と人間の絆、そして自然との共存について考えさせられる感動的な作品です。
映画「野生のエルザ」感動ポイント
ジョージとジョイの夫婦は自分の子供さながらにエルザを愛し育てます。エルザも2人に対して愛情を持って接していることが伝わるシーンが数々出てきます。特にジョイとエルザは会話で関係性が成立しており、動物には伝わらないという思い込みを消し去ってしまうほどです。
しかし、エルザの成長後は野生に戻すか、動物園に送るべきかで夫婦は対立してしまいます。この際にジョイが言ったのは、この作品の原題でもある「Born free」生まれながらの自由であること。ジョイは自由に生きるのがエルザの幸せだと思いました。
しかし、野生の世界は厳しく危険で、エルザが生きていけない可能性もありました。それでもエルザの真の自由を求めて奮闘する夫婦の姿に感動します。
(以降ネタバレ注意)
ラストにエルザは雄ライオンと三頭の子供を連れて夫婦の前に現れます。さらにナレーションではその後も何度かエルザと再会していることが明かされます。エルザと夫婦との間の絆が長く続いたことと、無事エルザが野生に適応できたことにも感動しました。
映画「野生のエルザ」まとめ
「野生のエルザ」は、危険な野生動物と人間との間に愛情や友情が生まれた奇跡に出会える作品となっています。また、原題と同タイトルの主題歌「Born Free」はアフリカの大地で力強く生きるライオンや野生動物たちの命の輝きを思い出させてくれる名曲です。
エルザの子どもたちを描いた続編「永遠のエルザ」も1971年に映画化されているので、あわせて観てみてはいかがでしょうか。
映画「野生のエルザ」がおすすめな方
動物が好きな方
ペットに愛情を注いでいる方
大自然やリアリティを求める方
アフリカの大地に思いを馳せてみたい方
文:Ta@akee 編集:chi-yu
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