ジャンル ヒューマンドラマ・社会ドラマ・恋愛ドラマ
監督 エリック・トレダノ オリヴィエ・ナカシュ
脚本 オリヴィエ・ナカシュ デルフィーヌ・クラン ミュリエル・クラン
原作 デルフィーヌ・クラン
出演 オマール・シー、シャルロット・ゲンズブール、タハール・ラヒム、イジア・イジュラン、イサカ・サワドゴ、エレーヌ・ヴァンサン、リヤ・ケベデ
「最強のふたり」では、ワルぶっているけれど根は善良で陽気な黒人青年を魅力的に演じていたオマール・シー。
全身不随となった大富豪とスラム出身の黒人青年ヘルパーが、出会ったことによって人生への希望を取り戻す話でした。
あの映画のテーマも描き方によっては白々しくなったと思いますが、彼のキャラクターによって楽しく心温まる感動作になったと思います。
「サンバ」の監督も「最強のふたり」と同じエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュです。
オマールの魅力にやられた女性も多かったのかもしれません。
この映画はオマール・シーと恋してみたい女性のために作られたんじゃないか、と思うほど、
彼の「いい」シーンが多いです。
子犬のように純粋でひたむきな、大きな目でお願いされる。
大きな手でハンドマッサージや肩のマッサージをしてもらう。
上半身ヌード、ベッドシーンも、ちょこっとサービス。
オマールの女性は、人生に疲れて立ち止まっている、もう若いとはいえない女性。
年下の男に癒しを求めたくなる層ですね。
視聴者の女性も感情移入しやすいのではないかと。
地味でやつれた感じで、ブスではないけど、特に美人でも女っぽくもないけど、
なんだか繊細な雰囲気のある女性。
あとから「あれ、シャルロット・ゲンズブールだったのか!!」と思いました。
納得もし、年月を思いました。
あの天使か小悪魔のような美少女だったシャルロットが、中年女性の役をやるようになったんだな…
「繊細な感じ」「危うい感じ」はそのままだけど。
ソフィー・マルソーが美少女キャラから美女キャラに順調に進んだのとはまた違った成長。
しかし、この映画、なかなかシリアスな内容でもありました。
パリの不法移民の生活と人生に生々しく迫るものでした。
真面目に働いているのに、警察が来たとたん、仕事も放り出して逃げなければならない。
労働許可証がないから、日雇いの仕事を奪い合わなければならない。
内戦から逃げて各国をさまよい歩き、やっとパリに着いたところでいきなり逮捕される人もいる。
強制送還されたくない一心で逃げて、命まで落としてしまう人もいる。
ヨーロッパの繁栄の影にある旧植民地からの移民問題。
映画になるくらいだから、マイノリティの存在に目をむけようという動きがフランスにあるのかもしれませんね。
難しいテーマですが、登場人物がみなどこかしらユーモラスなので、
最後まで息苦しさを感じずに観ることができました。
ラストについては賛否両論のようですが、私は「きれいごとじゃ生きていけないもんね」と思いました。
死んだ仲間の許可証をもらって、名前を変えて生きるという。
「自分が何者かわからなくなる」と悩んでいたサンバですが、
彼女が「私があなたの名前を忘れないで呼んであげる」と言ってくれたのが良かったのでしょうか。
前作「最強のふたり」での印象と、「サンバ」というタイトルから、
お気楽に観られるストーリーだと予想していたのが裏切られた作品ではありましたが、
観てよかったと思います。
シリアスな映画も、ハングリー精神を思い出させてくれるので、好きです。
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